中野区内の旧商店街に面し、住宅やマンション、店舗が密集している敷地にあって、
周囲からのプライバシーの確保と共に、採光と通風のよい住まいが求められた住宅です。
2階に子世帯、3階に親世帯が暮らす2世帯住宅で、玄関と階段、エレベーターを共用するRC造の3階建て2世帯住宅です。
東西に細長い敷地で、西側が道路という立地条件から、階段室とホームエレベーターを中央に配して、廊下を少なくすることで限られた敷地面積の中に効率よく各室の面積を確保しました。
建物中央に配した階段を透明感のある光と風が通るものとしました。
採光としては、この階段上部の窓と電動式のトップライトから光が下階にふりそそぎます。
通風としては、煙突効果による上昇気流を利用して、各室からの風が階段上部へと抜けるものとしました。
また鉄筋コンクリート造の場合には当事務所では外断熱工法をお勧めすることが多いのですが、この住宅でもそれを採用しています。
これにより、安定した室内温湿度環境を得やすいだけでなく、良質な衛生環境、結露防止、躯体保護による建物の耐久性向上をはかったものです。
<外観>
写真上:西側道路面の外観 写真下:外観見上げ
<1階>
玄関アプローチ
家族共用室(ファミリールーム)
白木と珪藻土仕上によるたたみの間です(堀り炬燵部の天板はケヤキの1枚板)
<2階>
子世帯の住まい
写真上:明るくゆったりとした2階リビングダイニング、右手がキッチン、左手はパソコンコーナー
写真下:リビングダイニングよりキッチンを望む、右手パソコンコーナーの右手は階段室
写真上:大きなバックカウンターのあるキッチンです。腰壁と床はタイル貼としたキッチンです。
正面の扉の先は洗濯室、物干し場へとつながります。
<3階>
親世帯の住まい
写真上:親世帯のリビングダイニング
写真下:同上(キッチン側より望む)
<光と風を通す階段室>
写真上:階段見上げ 写真下:階段室夕景
<夕景>
写真上:夕景(西側道路面) 写真下:同左(見上げ)
工程
基本設計 2005. 8~2005.12
実施設計 2006. 1~2006. 4
工事期間 2006. 6~2007. 3
敷地条件
近隣商業地域、準防火地域、第2種高度地区
道路幅員 5.45m
外部仕上
屋根:カラーガルバリウム鋼板
外壁:外断熱工法の上、アクリルリシンこて塗
RC打放し、透明フッ素樹脂塗装
開口部:アルミサッシュ、木製建具(玄関扉、タモ本実板貼、)
外構床:石英岩乱貼(アプローチ)、玉石敷込
内部仕上
居間・食堂・キッチン
床:栗無垢フローリング(床暖房用)
壁:ライムコートこて塗り
天井:PB AEP塗り
たたみの間
床:琉球畳敷
壁:ライムコートこて塗り
天井:松板なぐり仕上、白木用塗装
階段
床:たも t:35、UV(1~2階)
FRPグレーチング(2~屋上階)
壁:モルタル下地、ジョリパットこて塗
寝室
床:フローリング
壁:PB クロス張
天井:PB AEP塗