宮坂の家

宮坂の家 
~天空光の家5/吹抜けから光が降りそそぎ風が抜ける家~

世田谷区内の閑静な住宅地に建つ木造住宅です。

敷地南側にアパートが建ち、東と西には隣家が接近し、北側が道路に面する南北にやや細長い敷地です。

家づくりにあたって建て主の方が最も重視、ご要望をされたのは、
「陽当たりの良くない敷地ではあるが、明るく陽差しを感じる家」
「日常の生活の場としては、1階だけで過ごせる家」
「まだ小さなお子様の様子を家のどこにいても把握できる家」
というものでした。

そこで、南側からの採光を重視するのではなく、空から光を採り入れる家としました。
家の中央部に2坪弱の吹抜(トップライト)を設け、ここから全ての部屋に光を採り入れると共に、
風が抜け、各室の自然な換気がとれる家としました。

これにより日常の時を過ごす1階部分の採光・通風の環境が良好なものになると共に、
1階、2階の各室がつながり、家中の気配を感じることができる家としたものです。

<リビング・ダイニング(1階)>
写真上:吹抜からの光がふりそそぐリビング、ダイニング
写真下:リビングよりダイニング超しに南庭を望む

 写真上:キッチンよりリビングを望む(右手はダイニング)
写真下:ダイニングより左手にキッチン、右手にリビングを望む

<吹抜>
吹抜上部に大きなトップライトを設けることで家全体に陽差しがふりそそぎます。

トップライトはふたつ。1ヶ所をパンタグラフ方式で上下に可動させ
煙突効果によって家中の自然な換気を図りました。
写真上:1階よりトップライト見上げ(小窓は子供室北面)
写真下:吹抜に面する2階階段ホール(左手は寝室窓)


南北方向の断面図:日射しの採り入れ方と空気の流れ

<2階主寝室・子供室>
トップライトのある吹抜に面することで自然な採光と換気を確保しました。
主寝室:正面は吹抜に面する窓

写真上・下:将来の2室化を前提とした子供部屋

<水廻り>
キッチンとバックカウンター、奥はユーティリティー
ユーティリティーは花粉症対策のため室内干しができるよう家の南側に設けました


洗面脱衣室:奥は浴室(ユニットバス)

洗濯物投入口を設けた洗面脱衣室です
左手壁面部の投入口から洗濯物を入れると、
ユーティリティー側(キッチン後方)にて直接取り出せるようにしています。

<収納>
「必要な物を必要な場所の近くに収納する」分散型の収納形態としました。

キッチン脇のデスクコーナー廻りの収納
階段下スペースを有効利用したデスクコーナー側可動収納棚
デスクコーナー側収納(通常時)

写真上:食器棚開き扉を開いた状態
写真下:食器棚ごと前面に可動させた状態

リビング側から利用する可動収納棚
写真上:リビング側収納(通常時)
写真下:収納ボックスを引出した状態

2階子供室の収納
天井ふところを利用した季節物収納スペース

玄関の収納
正面はクロゼット左手は下足棚

<玄関>
人を招き入れるL型の外壁と庇は玄関内部と連続するものとしました。
室内より玄関を望む(右手は下足、収納棚)

玄関ポーチより玄関を望む(左手壁にはベンチ、郵便受)

<外観>
玄関ポーチ

道路よりの外観(右手は駐車スペース)

道路(アプローチ側)よりの外観

建築データ

所在地
東京都世田谷区
主要用途
戸建て住宅
構造・構法
木造(在来軸組)
基礎
鉄筋コンクリートべた基礎
規模
地上2階
敷地面積  115.08(34.9坪)
建築面積   57.52㎡(17.4坪)
延床面積  108.43(32.9坪)
1階 55.87㎡(17.0坪)、2階 52.56㎡(15.9坪)
 

工程
 基本設計 2006. 1~2006. 9
 実施設計 2006.10~2006.12
 施工者選定・申請期間 2007. 1~2007. 2
 工事期間 2007. 2~2008. 8

敷地条件
 第1種低層住居専用地域、
 準防火地域、第1種高度地区
 道路幅員 4.5m 

外部仕上
 屋根:カラーガルバリウム鋼板 
 外壁:アクリルリシン吹付
 開口部:アルミサッシュ、鋼製建具(玄関扉、ダイノックシート貼)
 外構床:石英岩乱貼(アプローチ)、イペ製デッキ組み(南庭)

内部仕上
 リビング・ダイニング
  床:フローリング
  壁:PB オガファーザー貼の上デュプロン塗
  天井:PB AEP塗り
 主寝室
  床:フローリング
  壁:織物調クロス張り
  天井:PB AEP塗
 玄関
  床:フローリング
  壁:ジョリパットこて塗
  天井:ジョリパットこて塗