木造住宅のリフォーム・設計実例
~構造・耐震補強工事~



リフォームにあたっては、調査、計画段階で構造補強の方法や範囲を想定します。

工事段階では、建物内部の仕上、下地撤去後に、 基礎、土台、筋交い、柱などについて
劣化や強度不足箇所を詳細に確認し、補強方法を充分に検討の上、構造・耐震補強工事を行います。

<基礎補強>

床下換気口上部など柱の下に基礎が無い部分は、柱から伝わる上部からの荷重を地面に伝えることができません。
そのような柱の下には、独立基礎や、基礎増打ちで補強をしました。


既存基礎:換気口上に建つ柱


基礎増打による補強1(施工中):型枠と床下換気用スリーブ


基礎増打による補強2(施工中): 型枠、コンクリート打設


基礎増打による補強3(施工後)


独立基礎による補強(施工後)

<土台補強>

土台(建物)と基礎とを固定するアンカーボルトが不足していたため、 アンカーボルトを増設しました(ケミカルアンカー)。
1階床の水平剛性を高めるため、火打土台も新設しました。


アンカーボルトは主に引抜の力がかかる筋交い部分に増設しました。


アンカーボルト新設


鋼製火打土台新設


鋼製火打土台新設

<耐力壁増設と補強>

現行の建築基準法に適合する耐震性を確保するため、 耐力壁の増設と共に、
柱、土台、梁等の接合部に緊結金物を取付ける補強を行いました。

新設耐力壁


筋交増設


新設耐力壁


柱、筋交、土台接合部


柱、筋交、梁接合部

既設の柱、梁、土台、筋交 にも全て金物で補強を行いました。

<梁補強>

仕上を撤去すると梁を半柱で受けているヶ所が見つかりました。
柱がないことを前提としたプラン変更を行う計画でしたので、
その半柱は撤去し、既設の梁の下に新たな梁を設けて補強を行いました。

既設半柱と梁

既設半柱


梁補強


追加金物による梁補強接合部