住宅の外観を考える際に、最も手掛かりとし意識していることは、その建物が建つ土地の「場所性」です。
その土地だけがもつ固有のエネルギーと言ってもよいでしょう。
その敷地にどのような姿の建物がふさわしいのか、土地が何を求めているのかということから考え始めます。
建て主さんの好みを具体化するすることと同時に、その家ができることで周辺が触発され、将来、近隣の街並みや周辺環境がより良くなることを期待するということが私が外観デザインを考える上で気にしている事です。
住まいの外観やインテリアは、商業施設のように一時的な流行や趣味でつくられるべきものではありません。
また、寒冷地と亜熱帯の建築の姿が違うように、また、欧米とアジアの建築の姿が違うように地域性や気候、風土、更には文化などを無視すべきものでもありません。
建築は、時と共にその場所になじみ、生き続け、住まいの主役である建て主の方達の営みの背景として、
美しく快適でありながら、少し控えめなものであった方がよいのでは...などと考えてます。